2014年6月1日日曜日 【くりもやドクターコラム】
「噛み合わせ」と「全身の健康」
歯を失って噛み合わせが悪くなると、全身の健康に様々な悪影響がでてくることが報告されています。
しっかり噛むことができなくなると、食生活に影響があらわれます。
たとえば、軟らかいものを好んで食べるようになったり、栄養が偏ったり、
ひどくなると食事があまり食べられなくなってしまったり・・・。
このことはメタボリックシンドローム、生活習慣病、栄養状態の不良などにつながっていきます。
また、噛み合わせの問題は脳の機能にも影響すると言われています。
よく噛むことで脳が刺激され、脳の血流が良くなります。
これによって学習記憶能力が高まることが動物実験などで確認されており、
また疫学的な調査では認知症の予防にもつながることが明らかになっています。
このように、「よく噛めること」は生涯にわたって健康で豊かな生活を過ごすこと、
ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)やQOL(Quality of Life:生活の質)の向上に大変重要です。
急速に超高齢化社会を迎えた日本において、私たち歯科医師は
「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」
という8020運動を推進し、「噛み合わせ」から「全身の健康」に貢献できればと考えています。
坂本歯科医院 坂本耕造