2014年12月1日月曜日 【くりもやドクターコラム】
先だって、国道を車で運転中に、70歳位の男性がフラフラと側道を歩いておられるのを見かけました。
寒い朝の8時頃です。薄着でサンダル履き、周辺には民家はありません。
明らかに徘徊であると思い市役所へ連絡を入れました。その方の口元は痩せており、
歯はほとんど無い様にお見受けしました。
歯の状態と認知症の関係を、厚生労働科学研究班が調査した結果によると…
歯がほとんど無く義歯も使用していない人は、歯が20本以上残っている人の約1.9倍認知症発症リスクが高く、
義歯を使用する事で約4割は発症を抑制できる可能性があるとの事です。
又、東北大学の研究では、歯の数が少ない高齢者ほど、記憶をつかさどる海馬や、
思考能力を担っている前頭葉が縮んでいるという報告もあります。
かかりつけ歯科医院を持っている人に比べ、持っていない人は認知症発症率が約1.4倍高いとも言われています。
認知症になれば、自分だけでなく家族も大変な負担になります。認知症発生の原因を少なくするためにも、
歯を大切にして下さい。
できれば歯科医院での定期健診をお勧めします。
田園歯科医院 林 幹典