2015年9月1日火曜日 【くりもやドクターコラム】
皆さん、歯科用CAD/CAMシステムが保険適応になったことをご存知ですか?
簡単に言うと歯医者さんの3Dプリンターのことです。
詳しくお話ししますと、虫歯を削って樹脂や金属などで覆う「かぶせ物」の形をコンピューターで設計し、
自動的に削り出す方法の加工機械です。
そもそも虫歯とは、口の中にいる虫歯菌が食べ物に含まれる糖から酸を作り、
歯を溶かして出来てしまうのです。
こんな歯の治療は、小さな虫歯の部分は削って詰めたり、大きな虫歯は銀歯で歯全体を覆う方法で治します。
この詰め物・かぶせ物は従来、歯科技工士が手作業で作ってきました。
また、この銀歯の素材は金銀パラジウムの合金製で製作され、耐久性が高いものの金属アレルギーを起こす可能性があったり、咀嚼優先の為、審美的に銀色で見た目にも良いとは言えなません。
今回、健康保険適用になった、
「CAD/CAM(コンピューター支援設計・製造ユニット=Computer Aided Design/Computer Aided Manufacturing)冠」
というシステムを使う手法で、奥歯のうち犬歯に近い2本の「小臼歯」(上下左右の合計8本)が対象で、材料には金属アレルギーを起こさない、一定の硬さを持った合成樹脂製で審美的にも天然歯と同系色で従来の金属冠より優れており、今まで治療で奥歯を銀歯で被せてしまってから、笑った時銀歯が見えてしまい悲しい思いをした方々には朗報でわないでしょうか?
もっとも、歯全体に覆いをかぶせる必要が出てくるのは重度の虫歯であります。
できれば、常日頃から丁寧な歯磨きで虫歯予防を心がけ定期検診を受けていただき、
もし虫歯になったとしても放っておかず症状が軽い段階で、かかりつけ歯科医院で治療を受けて、
歯科用CAD/CAMシステムのお世話にならないことが幸いです。
草津駅前デンタルクリニック 寺村 俊
(2014年5月29日 読売新聞夕刊参考資料)