2017年9月5日火曜日 【くりもやドクターコラム】
入院前には歯医者さんへ
高齢の方が入院して手術を受けるとき、準備といえば、どうしても身の回り品のことを考えてしまいますね。ここで見逃されがちなのが、入院前のお口のメンテナンスです。口は呼吸器と消化器の入り口なので、口の中が汚れて細菌が増えた状態になっていると、以下のようなさまざまな症状を引き起こすことがあります。
【呼吸器の病気(肺炎)】
口内の細菌が多いと肺炎にかかりやすくなります。人工呼吸器をつけるために器官に管を入れるとき、だ液の中の細菌が肺に入ると「人工呼吸器関連肺炎」を起こしやすくなります。
【心臓や血管の病気(心内膜炎)】
口内の細菌が、血液の流れにより全身を巡り、心臓に付着すると、心臓の内膜や弁に感染症を起こす「心内膜炎」を発症することがあります。
【臓器の感染症(菌血症)】
免疫力が低下しているときは、口内の細菌が血液中に入り、あらゆる臓器に感染を起こす可能性があります。
【むし歯や歯周病の進行】
薬の影響などでだ液が減ると、口内に細菌が繁殖しやすくなり、むし歯や歯周病が進んでしまうことがあります。
※手術前のお口のメンテナンスの例
・歯石を取ってもらう。
・ぐらぐらしている歯を固定または抜歯してもらう。
・入院中の歯磨き指導を受ける。
・入れ歯を使用している人は、状態をチェックしてもらう。
入院が決まったら歯科を受診して、口の中をきれいにしておくことをお勧めします。
中西歯科医院 門田 紀